日中はきぬゑさんにビシバシしごかれているあたしにとって、春陽さんの優しさは体にしみる。


「レモネード、ごちそうさまでした。あの…、グラスはどこへ返したら…」

「それなら、僕が返しておくよ。もう遅いから、桃ちゃんはこのまま寝たらいいよ」

「…すみません。なにからなにまで…」

「謝ることじゃないよ!また明日からもがんばってね」

「はい!」


春陽さんは部屋のドアを閉めるまで、爽やかスマイルを絶やさなかった。