「そんなことないです…!」


と言ってみたものの、正直なところ、本当はちょっとこわかった。


…それもそのはず。

冬里くんは、あたしよりも1個下のまだ高1だというのに、とある暴走族の総長を務めているらしい。


「『嵐舞(らんぶ)』って知ってる?この辺りじゃ、そこそこ有名な暴走族なんだけど」

「い…いえ…」

「そっか。女の子だったら、知らなくて当然だよね」