「えっ?…あっ、え〜と。だ…旦那さま」


かしこまって、ついはにかんでしまったあたしを見て、おじさんはハハハと笑う。


「構わないよ、“おじさん”でっ」

「…しかし、旦那さま!」

「なんなら、きぬゑさんも“旦那さま”だなんて、そんな大層な呼び方じゃなくてもいいんですよ」

「それはできませぬ!わたしゃ、この四季島家に代々仕えてきたメイドとして、主従関係はわきまえております!」