はしごをかけて、柄の長い掃除道具を持って、なんとか隅に届くくらい。


これを…つい昨日まできぬゑさんが1人でやっていたかと思ったら、その底知れない体力が恐ろしい。



「やぁ、桃香ちゃん。メイドの仕事、がんばってくれているかい?」

「おじさん!」


はしごに上って窓の拭き掃除をしていたとき、仕事から帰ってきたおじさんが声をかけてくれた。


「こらっ、おもも!“おじさん”ではなく、“旦那さま”とお呼び!」