あたしが、四季島家でまた住み込みメイドとして働くということは、お父さんがこのアパートで1人になってしまうということになる。

だけど、その心配は無用だった。


なぜなら、お父さんもまた、このアパートを出て行くからだ。


最後にしたマグロ漁が忘れられず、その道を極めるんだそう。


だから、またいつでも帰ってこれるようにと、このアパートの部屋はそのままにしておいて、あたしとお父さんはお互いの好きな仕事のためにがんばると決めたのだ。