……叶君を、好きになった。



そう気づいた日から数日後。





そりゃあ……意識せずにはいられない。












「お、おはっ……おはようございますっ」


「ん〜……おはよう」








朝、まだ5時半。早起きしてきた叶君に、私はたどたどしい挨拶を交わす。


うっ……叶君寝癖ついてる……可愛いっ。






「……ちゃんと眠れたか?」


「え……? は、はい……」






そういえば……久しぶりによく眠れたかも。








「……そうか。よかった」







そう言って安堵の笑みを浮かべる叶君に、胸がキュンと甘い音を立てた。


……心配、してくれたのかな。あまり寝れてないって言ったから。



叶君の些細な優しさにも、嬉しくて堪らない。







「今日1日暇だな……お前、なんか予定ある?」


「特にないです!」






暇だから、一日中 叶君のそばにいれる!






「どっか行くか。花見とか」


「お花見……!」


「食いもん持ってってアイツらも誘って行こうぜ」


「みんなでピクニック……!」






叶君の提案にキラキラと目を輝かせる。


今まで友達なんて居なかったから、そんな経験ができるのは嬉しすぎる。



お花見……ふふっ。久しぶりだなぁっ……。






「楽しみですっ……」







ヘラリと力の抜けた笑みを向けると、叶君はボッと頬を赤くして、パッと目を逸らされた。