む、無自覚……なんの自覚??


私はもう眠くなっちゃって、叶君の肩に頭を乗っける。


そういえば……昨日もあまり眠れなかった……。


睡魔は突然襲ってくるのか……。



「眠いです……」


「今、朝なんだけど」


「寝てないんです」



目を瞑って、着ていたパーカーのフードを深く被る。


朝は……明るすぎだ。


暗い方が落ち着く……。


だから……叶君の金色のその髪は……私には眩しすぎるの。



「なんで寝てねぇんだ?」


「寝たら蹴られる……」


「……お前、どんな暮らししてきたんだよ」



その質問には、答えなかった。


どんな暮らし……寂しくて、虚しくて……空っぽな生活。


光も希望もない……暗い日々。




すると突然叶君は私をヒョイッと抱き上げて、立ち上がった。


っ……た、高っ……!


そ、それより! なぜ持ち上げる……!?




「空気吸えるか?」


「え、はい」


「眩しいか?」


「……はい」


「世界を、見下ろせるだろ」




いつもより、少しだけ高いところの空気。


下を向いてて分からなかった、綺麗な眩しい世界。


その世界を、少しだけ高いところから見えた。



「今……今すごく……」


「うん?」


「泣きたいっ……」