だからね……。
『散歩してから帰ります。何かあったら呼んでください』
と返信しといた。
これでOK!
なんてものは、甘い考えだった。
彼は、諦めが悪いようだ。
『どこにいる』
『地球です』
『どこだ』
『日本です』
『おい』
ここまでボケてるのにツッコミひとつない……。
そして諦めが悪い……。
『河原の近くです』
仕方なく、正直にそう答えると、叶君から返ってきたのは
『そうか』
そんな簡単な言葉だった。
ほんとに何なんだろ……。
スマホをポッケにしまってまた歩こうと1歩踏み出した。
「……見つけた」
「ひゃあっ……!」
いきなり後ろから肩を掴まれたから、
思わず女子っぽい声を出してしまう。(※女子です)
「……叶君?」
どうしてここにっ……?
というかビックリしたぁっ……。
「犬が逃げたから追ってきた」
「…………」
「……?」
「ストーカー……?」
「……テメェ追い出すぞ」
「嘘です」
でも、よく見ると額には汗が滲んでいて、急いで来てくれたことが分かる。
どうして来てくれたんだろう……。
「朝飯食った?」
「いえ……」