最後、中央に集合し、左手を前に突き出し指差す決めポーズをした。

「「ありがとうございましたぁ」」

 一斉にお辞儀する。

 その瞬間。
 耳をつんざくような歓声と、鳴りやまない拍手に包まれた。
 保護者も、来賓も、先生達もスタンディングオベーション。

 はるな先生はハンカチで目を拭う。感極まって泣いているようだ。

 律の心の中には、色々な感情が湧きあがっている。

 ――とうとう終わっちゃったんだ。私たちで創り上げた、ダンスが。
 ――楽しかったな。もう終わりかと思うと、正直、寂しい。
 ――私たちが考えたダンスを踊ってくれてありがとう、みんな。
 ――ありがとう、新條。

 ダンスの衣装のまま、熱気もまだ冷めぬまま、閉会式へと移った。

「優勝チームを発表する……その前に。ダンス係の代表者、前へ。今回、特別に表彰します」

 理事長の発言で、律もダンス係の皆は、沸き立った。

 ――表彰してもらえるの……? こんなことってあるんだ! 

 代表者というと、会議を仕切っていた深川さんだろうなと律が思っていると、

「つーきかげ!」「つーきかげ!」

 周りから月影コールがした。
 えええっ? 私? と、律は困って深川さんを見る。

「今決まったね。代表者は月影さんだよっ」