「いたたっ!」
「大丈夫?」
思わず激痛に立ち止まる私。
すかさず私の体を支えてくれるのは、私のこの世で一番愛する人。雅。

「ゆっくりでいいから。」
「うん・・・」
私は赤ちゃんを出産してから2か月もかかってやっと退院の日を迎えた。

腹直筋の中にできていた腫瘍を除去するときに私は卵管や腹膜、お腹の筋肉も切除した。
日常生活を送ることができるようになってから、退院が決まる。
それでもリハビリの激痛とスパルタな内容に何度も弱音を吐いて、雅にも迷惑をかけてしまった。
赤ちゃんの退院までには私も退院したいと思っていたけれど、何度もあきらめそうになるくらい壮絶だった。

雅は仕事の合間に私の病室に来ては、私にかなりスパルタなリハビリやトレーニングをさせて、私たちは初めて喧嘩をしそうになった。
結局、私よりも精神年齢がかなり高い雅が、けんかにならないようにおさめてくれたけれど・・・