私と雅は再び診察室に戻り、雅は部屋にあるパソコンで撮ったばかりの映像をじっと見つめていた。

真剣な表情は険しくも見える。

私は大丈夫なのだろうか。
赤ちゃんは大丈夫なのだろうか。

雅と赤ちゃんと一緒の未来を願ってもいいのだろうか。
それが許される状態なのだろうか。

雅が黙って画面を見つめる間、どんどんと不安が募っていく。

しばらくして、雅は診察用の椅子に座っていた私の方に体を向けた。

「いける」
「へ?」
「エコーでは分からなかった部分も見えた。大丈夫だ。腫瘍と思われる組織は腹直筋内にある。そこからは出てない。組織検査も慎重にやればいける。」
雅の言葉に隣に控えていた数名の医師は驚いたように視線を向けた。