「雨音、しっかりしろ」
ぺちぺちと、頬を軽く叩かれる。

「……社長?」
会いたいと、思っていた大好きな顔がそこにいた。
これは……。

「夢……?」
きっと、そうに違いない。
こんなところに、いるはずがない。

全身びしょ濡れになるのも構わず、私なんかを彼が探しているなんて。
そんなこと、あるはず……。