雷の光が、いつしか真っ暗になっていた空を切り裂く。

まるで、ナイフのようだ。
もし、真っ青で綺麗なブルーの空があの人だとしたら。
あの人を傷つける雨と雷は……きっと私。
何本も空に枝のように傷をつけていく雷を、私は道の真ん中に立ち尽くして見ていた。

空が、痛そうだと思った。
空が泣いている、と思った。
泣かせているのは……誰？

そんなことを考えていた時だった。

カッ！と一面が真っ白になる。
ピシャドカン！と体全体を大きく揺さぶる、重くて痛い音が落ちてくる。
それは、本当に目と鼻の先。
足元のコンクリートの地面は無惨にも穴が空いている。

「え……？」

私は、体から力が抜けて、地面に座り込んでしまう。
動かなきゃ。
でも、体が全く動いてくれない。

音はまだ、そこにいた。
私の真上に。