この人は友達の隣の席に座っていた男。

何かがきっかけにいつも一緒にいるという関係だった。

でも、お互い付き合うとかそんな考えはなく、ただ毎日一緒に居るだけだった。

周りは付き合ってると言っていたが、そんな噂なんて気にも止めず、毎日一緒に二人きりで

話すのが私達の友情みたいなものだった。

中1も後少しで終わりかけの頃だった。

「ねぇ?未帆ちゃん」

突然、名前を呼ばれた。

3組の荒 志津恵ちゃんだった。

「何?志津恵ちゃん」

「あのさ、木野澤と別れてくれない?」

はぁ?別れるも何も付き合ってないし。

一体、何のこと?

「っていうか、私と木野澤は付き合ってないし」

「みんな、付き合ってるって言ってるじゃない」

あれは勘違いというか誤解というか・・・

面倒なのに捕まっちゃったな。

私はただひたすら部活に行きたいとしか思えなかった。