ただの紙だというのに、香りが立ち上がってきそうなほど、リアルで大胆なアマリリスと、それと同じ色を咲かせた、口元の写真。


顔のほとんどが写っていないのにも関わらず、その女性が、自信に満ち溢れていることがわかってしまう印象の強さに、ドキリとせずにはいられなかった。




写真の下にあえてつくられたであろう、絶妙な余白には、……凛花の想いが。



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Find your confidence.
3秒で、無敵に香る あなた色。


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唇に咲かす色、纏う香りで、
あなたは何者にだってなれる。

ぜひ、あなただけの魔法を。

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……隅々まで、凛花が血を通わせて、紡ぎ選び抜いたメッセージなんだとわかる。



それは、付き合っていた頃に、何度だって、何時間も。

芯をもった瞳を輝かしながら、凛花が語っていたことが詰まっているからだ。




普段は断然、俺ばかりが喋っていて、凛花が突っ込むようなスタイルが、2人のリズムでもあったけど。


仕事に関することだけは、凛花のビジョンや想いがあふれて止まらなかった。






……今になって、思えば。


そんな仕事に誇りと生き甲斐を感じている凛花に、海外に転勤になったから、結婚して着いてきてくれなんて、自分都合過ぎたんだよな。



とはいえ、海を挟んだら恋人としてやっていけないとも、凛花には断られてるんだけど。