「If you say so much, You should go back.」



イスに深く腰掛けて、完全に仕事を放棄した俺に、同僚は理解ができないと肩をすくめた。


そんなに言うなら、帰ればいいのにと。




「For sure. but, that's what she hates.」



同僚の提案に、間違いないとは思う。

だけど、仕事を放棄して帰ることを、彼女は最も嫌うだろう。



手に取るように分かるからこそ、俺は、この地で頑張り続けるしかないんだ。




「I see, You just have to keep on working.」

「Yeah true.」



戻りたくなるような幸せを胸にしまって。俺が思っていたことを、先回って代弁してくれた同僚に、頷いてみせる。


対価として、話に付き合った分、と言わんばかりに差し出された追加の仕事には、思わず苦笑いが浮かびもしたけど。


凛花なら、何事も経験だからと受け取りそうだなと思って、文句もこぼさず手に取った。





いつか、どこかで。

彼女と再会した時には、せめて、尊敬してもらえる自分で在りたいから。