私は自分の筆圧でぶわぶわになった紙を、亜由美さんに突き出した。

数秒で読み終えると、亜由美さんは「あれ?」と顔を上げた。

「結局あの女とはどんな関係かわからなかったんだ?」

脳裏に蘇る黒髪の美女。

そうだ。

それ気になってたんだっけ。

・・・まぁ、いいや。

彼の側にいれるきっかけを作ってくれたのは、他でもない彼女なんだし。

感謝すべきなんだ。

その質問に私はこくりと頷いた。

「そっかぁ。
でもさ、でもさ、
お礼させてください!!
って言われたんでしょ!?」

目を爛々に輝かせて言い寄る亜由美さんに圧倒されながらも、私は嬉しげに微笑んだ。

もしかしたら頬が紅潮しているかもしれない。

「よかったじゃんっ!!
デートにでも連れてってもらえよ!!」

まるで自分の事のように喜ぶ亜由美さん。

こんなにも心配してくれてたんだなぁ。

味方が一人でもいるだけで、こんなにも頼もしい。

私は小さく頷いた。

ーーーーー私の心という名の空は

淡い淡い薄紅色。

愛する人を

想ってるから。