「響子ちゃーん!!
どこに行ってたのさぁ!?」

ベットに戻ると、亜由美さんがおせんべいを頬張りながら腰掛けていた。

「あげるー」

いつもの笑顔を振り撒きながら、私におせんべいを勧める。

私は会釈しながらそれを受け取る。

それと同時に
少し開いている窓に気が付いた。

「外、見てみなよ」

亜由美さんが顎で外を指す。

私はためらったが亜由美さんの視線にたじろぎ、恐る恐る外を覗き込んだ。

そこには

「なんで私のせいなのよー!!」

「いや、別にそういう訳では・・・」

「意味は同じじゃない!!
私、帰るから!!」

口論している2人だった。

さっきまでの穏やかムードとは一変、

黒髪の美女が、ものすごい剣幕でキレている。

「え、困ります!!運転、」

「嫌よ!!」

そう言い放ち、彼女はちょうど病院に来ていたタクシーに乗り込み、去っていった。

「喧嘩してるでしょ、2人。」

亜由美さんがまるで面白い何かを見ているように、口の端をあげて笑みを零している。

「なんでだと思う?」

私は首を傾げるしかなかった。

いまいち状況が把握出来ない。