泣けてきた。

自分が弱くて、ちっぽけで。

こんな事でへこんでる場合じゃないよ。

彼には彼の人生を。

私には私の人生を。

それを全(まっと)うするしかないのかな。

私は潰れかけている紙袋に気付き、慌てて開いてみた。

中にはたくさんのパン。

おいしそうだなぁ、なんて思いながら一つずつ見てみる。

5個は入っている。

あんパン、チョココルネ、マフィン、ウインナーパン、

そして、
ーーーーーーーメロンパン

私は笑ってしまった。

メロンパンが好きだと思ってるのかな。

ふと
紙袋の隅っこに、四つ折に畳んであるメモを見つけた。

ちょいとそれをつまんで、開いてみた。

『鈴野さんへ
舞ちゃんがほんとにほんとにお世話になりました。
なんか、こんな手紙変ですよね。
すみません。
ほんとは、
あなたとしゃべってみたくて、こんな手紙を書きました。
今度病室にお邪魔していいですか?』

私はぼろりと涙を流していた。

少し崩れた彼の字体に小さな水玉を作って、にじんでいく。

嬉しい、嬉しい。

でも、

それは、あなたに真実を告げなければいけないという事。

避けては通れない。

好き。好き。大好き。

だからこそ、
伝えなきゃいけないんだよね。