私はふぅと息をはいてから窓の外を眺める。

今日は快晴。

どこまでも広がる青に、私の気持ちは弾む。

天気がいいだけでこんなに幸せになっちゃう私って、子供みたい。

でも、

それより幸せになれる時があるんだ。

早く、

早くお昼の12時になれ!!


時間は案外早く経った。

けれど、

こんな光景を見るんだったら

時間が停止してしまえ。

と本気で願ってみる。

なんと、
やってきた崎村ベーカリーのワゴンには

いつものお母さんではなく

ーーーーーーー黒髪の美女が乗っていたのだ。

一つに結んだ髪はさらりと風になびき、整った顔立ちは美人としか言いようがない。

楽しげに崎村くんとしゃべりながら準備を始める。

私は窓をぴしゃりと閉め、ベットに潜り込んだ。

突然現実を突き付けられた。

それが私の心を大きくえぐり、

同時に

自分が自惚れていた事に気付いた。

彼は

彼は普通の高校生。

恋愛や友情に囲まれた生活をおくっている。

私は

私は声が出なくて、時々自分を見失う。

こんな二人、

天秤にかけてみたって、

ほら

釣り合わない。

少しでも彼の側で笑っている自分を想像した自分の、

馬鹿野郎。

私と彼は違うんだ。

違うんだ・・・・・・。