私はそっと舞ちゃんの頭を撫でた。

もう、いいよ。

そう伝えたいのに。

出来ない自分が
ふがいなくて、情けなくて。

「・・・私のお姉ちゃんはね、自殺だったの。
大好きな人を追いかけたんだって。」

反射的に舞ちゃんを抱きしめた。

言葉に出来ないから。

もう、話さなくていいよ。

って。

「・・・でね、響子ちゃんに相談したいの。
拓兄に話すべきかなって・・・。」

それでも舞ちゃんは声を絞り出してしゃべり続ける。

「あの人ね、すごく心配性なんだぁ。
だから、話したらすっごい暗い顔すると思うの。

ほら、あいつには笑顔しか取り柄がないから」

皮肉ったつもりなんだろうけど、舞ちゃんは今にも泣きそうで。

舞ちゃんはきっと、
自分を二の次にするんだ。

自分を犠牲にしてでも誰かを守る強さが彼女には有る。

こんなに小さいのに、私より大きな何かを垣間見た気がして、

自分はとてもちっぽけだと再認識した。