ぼけっと舞ちゃんを見つめている私を見て、慌てて彼女は口を開いた。

「実はお話があるの。

響子ちゃんに話したい事・・・。」

なんだろう?

初対面の私に・・・?

疑問は多いけれど、舞ちゃんの無邪気な笑顔の前では断る訳にはいかず、頷いていた。



空に小さな青が見えた。

さっきまでの雨が嘘みたいに止んで。

私達はバルコニーにいる。

休憩室じゃ人が多くて話しにくい。
という舞ちゃんの要望からだった。

確かに少し狭苦しかったしね。

私はバルコニーのさんに寄り掛かりながら、オレンジジュースを一口、のんびりと飲む。

舞ちゃんは何か思い詰めた顔で話し始めた。

「あのね、

さっき拓兄が来て、謝ったの。」

あ。

そーいえば待合室で悩んでたな。

ちゃんと言ったんだ。

「お昼の時、私を怒らしたって思ってたみたい。
・・・響子ちゃんも見てたよね?
でも、違うの。

拓兄、誤解してるの」

え・・・?

誤解・・・?

あんなに悩んでたのに、全て誤解?

驚いている私を横目に、舞ちゃんは話し続ける。