「じゃあなんでここにいるのよっ」

「お見舞いがてら雨宿りです!!」

そんな口論を看護婦さんと繰り広げている。

ーーーーーあの青年

私は思わず身を縮めて、なるべく相手に見つからないようにしていた。

心音がとても速いスピードで打っていて、同時に青年の近くにいれる事に嬉しさが込み上げていた。

いつもいつも2階から見つめているだけだったから、この距離でも十分満足だった。

「・・・そう。お見舞いね。
誰?案内するわよ。」

看護婦さんは納得したようで、名簿のような物をぱらぱらとめくり始めた。

「えー。実は舞ちゃんに謝りに行きたいんすけど、あの、心の準備っつーか・・・」

何故か、しどろもどろになっている青年を看護婦さんは怪訝そうな顔付きで見つめる。

「ちょ、ちょっと時間下さい!!
心の準備と頭の整理したらまた来ますからっ」

「はいはい。」

看護婦さんはあっさりとそれを聞き入れて診察室に入って行った。

青年は空いている椅子にどっかりと腰を下ろした。

うーん、と本当に悩んでいるようだ。

さっき舞ちゃんに「嘘つき!!」って言われてた。
それが関係してるのかな・・・?

ぼぉっとただ青年を見つめていたら、

ばちりと目があってしまった。