その人物を見つけ出すことができたなら、家族の事故の真相がわかるということだ。フィオナはグッと拳を握り締める。

午後からは事件現場に行こうという話になっていたのだが、予定を変更して店員が先ほど言っていた花屋に行ってみることになった。



レストランを出て、フィオナたちはまっすぐ花屋へと向かう。花屋はこのレストランの近くにあり、角を曲がれば目の前にある。

「ここだね」

エヴァンが指差した先には、色とりどりの花がたくさん並べられた花屋がある。可愛らしい木でできた看板があり、エプロンをつけたふくよかで優しそうな女性が黒髪の美人と言える女性と店の前で話している。

「こんにちは」

レティシアが声をかけると、二人は少し驚いたようにこちらを見る。そして、ふくよかな女性が「いらっしゃいませ」と笑った。

「あら、カップルでダブルデート?楽しそうね」

美人な女性が微笑み、サルビアが「ち、違います!」と顔を赤くしながら否定する。エヴァンは顔を赤くしてフィオナを見つめたものの、フィオナにも「違います」と否定され落ち込んだ。