フィオナたちの話に二人は頷いたり、大きく反応してくれる。レティシアたちはどこか嬉しそうだ。その時、フィオナはこの街に来た目的を思い出し、口を開く。

「そういえば、この街で人が拷問によって殺害されているという噂を耳にしたのですが、何かご存知ですか?」

その質問をした刹那、フィオナたちがいるテーブルの温度が下がる。ヴィンセントはコーヒーを飲む手を固まらせ、タンジーは怒りを見せてフォークを握り締めていた。

「何か知ってるんですか?」

サルビアが訊ねると、「あいつらは死んで当然の連中なんだ!!」とタンジーは吐き捨てて立ち上がる。ヴィンセントも食事の途中だというのに、かばんを手にレストランを出て行ってしまった。

「事件の被害者と何か二人は関係があるってこと……?」

エヴァンがそう呟くと、「お客さん、困るよ〜。うちの常連さんにあの事件の話を振っちゃ〜」と言いながら、ロンではない他の店員が料理を運んでくる。そして、声を小さくして言った。