「あんな恐ろしい事件があった街だなんて、信じられないわね」

レティシアが言い、サルビアも「そうですね」と頷く。しかし、街の真実をフィオナが覗けば、死の恐怖と苦痛から泣き叫ぶ被害者と、拷問を行う犯人の姿が映し出される。やはり、この街で事件は起きているのだ。

「フィオナ、大丈夫?」

過去一番と言えるほど残酷な真実にフィオナは体を震わせる。すると、エヴァンがフィオナが倒れないようにか腰に腕を回して心配そうに顔を覗き込む。その様子を見ていたレティシアとサルビアも口を開いた。

「フィオナの見る真実は、拷問されているところでしょ?無理しちゃダメです」

「もうお昼が近いし、近くにレストランもあるから休憩しましょう?」

調査はお昼ご飯を食べてから行うことになり、近くにあった古風な雰囲気のレストランのドアをサルビアが開ける。お昼時ということもあり、店内は混雑していた。忙しそうに店員が動き回っている。