慌てて夏希から離れた私。

夏希
「あ、おい!」


「やっぱ授業出る!留年回避するし!!」

そう言って、逃げるように音楽室を出た。


「はぁっ……やばいかも」

頬を触ると、ありえないくらい熱くて。

っ……。

ふらつきながらなんとか教室に向かう。

私、いつから……好きだったのかな。

初めて会った時を思い出す。

あの時から強引で、いつもそばにいてくれた。

私に手を差し伸べてくれて……。

弱いところも、受け止めてくれて。