「笑った顔もかわいいねー、やっぱり一緒に遊ぼーよー」
…苦手。
そう思いながら明らかに年上なその人を見上げる。
茶味がかった黒髪に、毛先を金色に染めていて、
イヤーカフもたくさんつけている。
チャラそうだし、大学生くらいだろう。
少しだけ幼さの残るその顔は、少しだけはるくんに似ていて。
…会いたい。
そう、思ってしまうのはおかしいだろうか。
思わず唇を噛みしめて涙を堪えている間にも、話しかけてくる。
「ねー、遊ぼうよぉ」
声を聞くたび、思い出してしまって苦しそうな私を見かねて、
「っ、本当にやめてください。家が近くにあるので私達は失礼しますね」
男の人がとことん苦手な琥珀が断ってくれたのだけれど。
「ねぇ、せめて連絡先だけでも」
しつこい。
「腕掴まないでください。あと、私たちスマホとか持ってきてないので、すみません」
振り払って、私の家に避難した。
せめて、
…はるくんと、会いたかったな。