『ちょっと待って。…ん、これで音出るから、』

「あ、ありがとうございます。……えっと、ここの部分なんですけど…、」


最初に今聴いたばかりのメロディーを弾いてから

自分の思う音を、同じようにピアノで弾く。

ちらっと横目で見た雪村さんの顔は

少し驚いたような

信じられないと言わんばかりの表情だった。