それから閉店間際まで居座り、アパートに着いたのは日付回って1時前だった。

エントランス横の郵便ポストをチェックしていると「紗良?」と聞こえた声に振り向く。


「ケビン…」

「今帰り?」

「友達と飲んでたから」

「そっか」


こうしてケビンと話すのは数日ぶり。

だからか、変な緊張が走る。

「あ、友達がこの前ケビン見たって言ってた」


緊張を消すように口を開く。


「僕のこと知ってる人?」

「専門学校の友達だからね」

「あ、なるほど」

そう言って歩き出すケビンに続く。


「その友達が言うには、かなりのイケメンと歩いてたって言うんだけど、心当たりある?」


って、こんなこと聞かなくてもいいのに。

どうにか沈黙を避けたいがために、口が閉じることを知らない。


それにケビン返事に困ってる感じだし。

わたしのこと変に思ったかな?

と心配になる。