「多分だけど、わたしケビンって人、この前見たよ」

と小夏。


「そうなんだ?」

でも、別に見かけてもおかしいことなんてない。

「すっごいイケメンと歩いてた」

「イケメン…誰だろう?」

ケビンの友達はひと通り会ったことあるけど、小夏が言うほどのイケメンなんていたかな?


面食いの小夏が言う程だから、よっぽどかっこいいはず。


「まぁ、後ろ姿しか見れてないんだけどね」

そう言った小夏に思わずつっこみそうになる。


後ろ姿って……

イケメンかわからないじゃん。

「でも、遊んできたからわかるの。あの後ろ姿は絶対イケメンだったよ」

そう言い切る小夏には呆れてしまう。


だけど、今日はそんな小夏に会えて嬉しい。


この2人といると、学生に戻ったように感じる。

南と小夏…

この2人のことも和子たち同様、すごく大事な存在。

そんなことを思えるほど、気持ちに余裕が持てるようになったんだと知る。