「ごめん。わたしも何もない、かな」


こんなの、わたしも南も仕事一筋じゃん…。

我ながら情けない。

「小夏は?」

と尋ねてみる。


すると、パッと表情が明るくなった。

と思ったら暗くなった、ような…?


「実は振られたんだ〜わたし」

「「えっ、」」


見事に南の声と被る。

「1年近く片想いしてて…何か色々つらくなったから勢い任せに告白したんだけど……彼、婚約してる人がいたみたい」

「「……」」


こういう時はなんて言えば…


それは南も同じのようで言葉を詰まらせていた。

「まぁ、これまでたくさん遊んできたし?それがいきなり本気の恋って…さすがに神様も許さないよね〜」

とビールに口をつける小夏。


こんな弱々しい小夏は初めて。

結構落ち込んでるみたい。


「よかったんじゃない?振ってもらえて前に進めるし。それに、ぼちぼち結婚とか考え始める年齢なわけだし…そう考えると早めに次の恋見つけないとっ」