今は同じ会社の上司に片想いしてるんだとか…。

あの小夏が片想い…

学生の頃には想像もできなかったこと。


「とりあえずビールでいいよね?」


南の声に顔をあげる。

そして、久しぶりに3人で乾杯した。

学生の頃はお酒なんて全然飲めなかったけど、社会人になった途端、お酒が進むようになり、今では結構飲める人間に。


だけど、わたしより南はもっとお酒に強い。


「近況報告し合おうよ」

そう言い出したのは小夏。

ってことは、片想いの相手とうまくいってるのかな?


「南は?最近どう?なんかないの?」

「特に何も。ザ、仕事人間!だから」

うん、それは間違ってない。


きっと、南から今仕事を抜いたら何もないだろう。

って、わたしも人のこと言えないけど。

「つまんないな〜。じゃ、紗良は?」

と南の視線が刺さる。