「前に、水樹くんに中途半端な付き合いはしたくないって言われて、その時はその意味がわからなかったけど、最近やっとそれがわかってきて…」

「要するに堂々とイチャイチャしたいんだね?」


和子はニヤニヤしながらそう言った。

イチャイチャとは違うけど…

でも、案外間違ってないのかも。


手繋いだり、ハグしたり…


そういうことをしたいと思っている自分がいる。

「でも、紗良の場合、もう慧くんからの返事は決まってるからいいね!わたしは…もう少し様子見てから告白しようと思ってる」

そう言った和子の頬は少し赤い。


様子見しなくても、朝陽も同じ気持ちだと思うよ。


ってことはあえて言わないでおこう。

「あっっ!紗良っ、時間過ぎてるよ!」


和子の大声に思わず体がビクッと驚く。

時計を見ると、集合時間を10分も過ぎていた。