水樹くんはそう言うと小さくため息を吐いた。

「紗良ちゃん、肩借りてもいい?」

「え?肩?」

「うん、寝不足」


それだけ言うと、肩に頭を預けてきた。

っ…!

何、この状況…!?


心臓が発作を起こしてしまいそうなほど、加速していくのがわかる。


なんか、これはズルい。

こんなことされたら、たまらなく愛おしくなる。


「着いたら教えて?」

ボソッとそう言った次の瞬間には、もう夢の中にいってしまったようで…

動こうにも動けずだった。


少しすると、心臓も落ち着いてきて、こそっと寝顔を覗ける余裕も出てきたり。


着くまでの間、幸せな時間を過ごすことができた。

修学旅行はまだ始まったばかりなのに、もう胸がいっぱいだ。