いつの日か、水樹くんもそう言ってくれていた。


「平野くんの気持ちは、ちゃんと奈々ちゃんに伝わってるよ。だから喧嘩になるんだよ」

「…ップ!夏目さんにそんなこと言われるとはな〜…でも、ありがとう。俺、諦めるつもりはないから心配しないで?」


と笑う平野くん。

その感じだと大丈夫そうだ。


朝陽同様、平野くんにも幸せになってほしいから…

これからは平野くんを応援しよう。


「じゃ、ちょっと待ってて?」


平野くんはそう言うと立ち上がり、どっかに行ってしまった。

待ってて…?

って何を?

そんな疑問を胸に、窓の外に視線を向けた。


修学旅行、楽しめるといいな〜。

それで、帰りは水樹くんの彼女になれてたらいいな〜。


その為にも名前、呼ばないと。