そう言った平野くんに視線を戻す。

「だって長年も思ってくれてたんだよ?それが別の人に気持ちが向くって…寂しくない?」


…寂しい…のかな。

言われてみれば、ほんの少しだけ胸に痛みが走っていたような。

その痛みに気づかない振りをしていたけど、それってそういうことなのかな?


「でも、本気で応援したいと思ってるから。あの2人のこと」

「もう応援するまでもないんじゃない?両思いだよ、あいつら」

と平野くんの視線が2人に向く。


そうだよね。

あれは誰がどう見ても両思いというか…

カップルだ。


あとは告白をどっちからするか…。


「平野くんは?最近、奈々ちゃんと進展あった?」

「んー俺は特に」

そう言った平野くんの顔が曇っていく。