1年生の彼女が何かしてくることはないだろう。

この時はそう思っていた。

だって、これでも一応先輩だから。


先輩に、ってことはさすがにないはずだ。


「ケーキ、ほんとによかったの?」

帰り道、何度もそう聞いてくる水樹くんに笑いが出る。

「うん。ケーキはいつでも食べれるから」

「そうだけど…今日は俺に付き合わせることになって申し訳ないな〜」


水樹くんは小さくため息をついていた。


申し訳ないなんて思わないでほしい。

水樹くんと何気なく過ごした今日の時間は結構濃くて楽しかったし、何より幸せだった。


だって……キス…までしたんだもん。


水樹くんが何も言ってこないのには理由があるのかもしれないけど…

わたしは決めた。

修学旅行の自由時間で告白する。