「ご、ごめん」

そうだよね。


さすがにいきなりすぎたよね。

これは反省だ。


まだ彼女でもないんだしね。

「でも、たまんないから俺も抱きしめさせて」

と言われると、そのまますっぽり水樹くんの腕の中。

……矛盾してる、よね?…


大変って言っておきながらこんなことするなんて。


腕の中から水樹くんを見上げると、かなりの至近距離で目が合ってしまい固まる。

こんな至近距離はかなり久しぶりだ。

途端に心臓が騒ぎだす。


「紗良ちゃん…少しだけ目瞑ってて?」

「えっ?」

「いいから」

と催促され、渋々目を瞑ると…