「紗良ちゃん?どうしたの?」

急に呼ばれた水樹くんの表情は驚いたまま。

「ちょっとだけ…話せる、かな?」


心臓が口から出そうなほど緊張している。

本番はこれからなのに大丈夫かな?…


「あ、うん、いいけど…?ごめん、先に戻ってて」

と水樹くんが友達に声をかけると「行こうぜ」と体育館を出て行ってくれた。

だけど、わたしは気づいていた。


与田くんの視線に。


「どうしたの?何かあった?」

水樹くんの声にハッとすると、心配そうな表情をしていた。

「ううん、そうじゃなくて…」

「うん…?」


言わないと…!!

よし!


「あの…自由行動、なんだけど……よ、よかったら一緒に回らないかな?って…」

言えた!