水樹くんの横顔にそう決めて前を向いた。




「話し長すぎない?」

と小声の和子に小さく頷く。

説明会が始まって1時間以上は経つ。


確かにこんなに長いとは思っていなかった。

長くなれば長くなるほど、ドキドキと緊張が大きくなっていく。


ふと水樹くんのほうを見たのはいいけど、そこで目が合ったのは与田くんとだった。

目が合うなり、すぐにそらされてしまったけど。


やっぱり与田くんが変だ。


きっと、何か言いたいことがあるんだろう。

ともう一度与田くんに視線を向けると、次は水樹くんと目が合う。

その瞬間ドキッとする。

水樹くんは優しく微笑むと前を向いた。


与田くんのことも気になるけど、今は水樹くんを誘う心の準備をしないと!

そう思えば思うほど、ソワソワした。