ただ、一つ変わったことと言えば…

下校を一緒にするようになったことだ。

バイトがある日はバイト先まで送ってくれる。


バイトを辞めた水樹くんは、放課後時間を持て余しているんだとか。


体育館に入ると、水樹くんたちのクラスはまだ来ていないようだった。

「慧たちの担任、話し長いからな〜」

わたしの気持ちを読み取るように平野くんが口を開いた。


「お楽しみは説明会終わってからだな」

と笑いながらわたしの肩に手を置く平野くんに苦笑い。


お楽しみって…

やっぱり何か楽しんでるんだ!


平野くんっていい人なのか、意地悪な人なのか…どっちなの?

そんなことを思いながら適当に腰をおろすと、和子が声をかけてきた。


「慧くんとどこ行きたいとかあるの?」

「え?」

「だって沖縄だよ?絶対いい思い出になるよ〜」