なんで…?

なんで平野くんがいるの?


ドアを勢いよく開け、真咲くんのことを殴り、真咲くんのことを見下ろしていたのは平野くんだった。

「イッテ…殴ることないだろっ」

と切れた唇を抑えながら平野くんを睨みあげる真咲くん。


「その痛みより、もっと痛い思いをしてる人がいるんだよ。逆にその程度で済んだことを有り難く思えよ」

「…ウザ…」

「あと、さっきのやり取り、全部録画させてもらったから」


平野くんはそう言うとスマホを見せた。


「……」

そこまですると、真咲くんもさすがに何も言えないようで…

「お前、何黙ってんの?さっさと謝れよ」

と平野くんは軽く真咲くんを蹴る。


「………悪かったよ…」