ズキッ…!

胸に何かが刺さる。


そっか…

わたしは遊ばれてたんだ?

申し訳ないと思いながらここまで来た気持ちは無駄だったってことか。


「いや〜でも振られるなんてね。あんたみたいやつに振られるのが一番ムカつくんだよね」

「……」

「ッチ。ダチと賭けてたのに無駄金だわ〜」


真咲くんは頭をガシガシと掻きながらスマホを取り出すと、誰かとやり取りを始めたようだった。

目の前の彼が本当の姿なんだ…


ってことは平野くんが言ってた裏とかいうのは当たりだったんだね。


告白してきてくれた時、緊張したって…

あれも全部演技だったってことだよね?

だとしたら彼は演技力が相当高い。


あれはわたしだけじゃなく、みんな騙されると思う。