「……でも、わたし…」

きっと、また水樹くんのこと苦しめるよ?

つらい思いだってさせると思う。


「俺、甘えてたっぽい。別れて気づいたこといっぱいあるんだよね。紗良ちゃんが隣にいることも普通になってたし、紗良ちゃんが俺から離れることもないと思ってた」

と体を離すと目を合わせてきた水樹くん。


そんな水樹くんの瞳に吸い込まれそうになる。


「もし、また彼女になってくれたら、もっと大事にする。それで他の男に隙を与えないくらい紗良ちゃんのそばにいる」

「…水樹くん…」

どうしてそこまで思ってくれるの?


水樹くんに相応しい子は他にいるかもしれないのに…

わたしに水樹くんはもったいないよ。


「わたしね、もう自信がない…。また水樹くんのこと苦しることになると思う」

水樹くんの瞳に吸い込まれる前にそらすと俯いた。