また気使わせたかな?

だとしたら申し訳ないな。


準備を終え、久しぶりに水樹くんと並んで歩く。

少し前までは、それが普通だったのにね。


「もう結構暗いね」

昇降口を出ると水樹くんが口を開いた。

「そうだね」


と返事をしながら、もうそこまで冬が迫っていることを感じていた。


「そういえば告白されたんだって?」

「え、どうしてそれを?」

「逞から筒抜けだから」

「…そっか」


わたしの情報は平野くんから渡ってるんだ?

余計なこと言ってないといいけど。


「ね、紗良ちゃん」

薄暗い夜道に響いた水樹くんの声に顔をあげる。