時計を見ると19時前で驚く。

そのタイミングで担任の先生が顔を出した。

「お〜テスト勉強か?でもそろそろ帰れな?鍵閉まるぞ」


それだけ言うと他のクラスも覗きに向かったようだ。

「そろそろ帰るか〜!また明日もあるし」

と立ち上がった平野くんに続き、和子と朝陽も立ち上がる。


「紗良、ごめんけど先に帰ってて?俺、本屋に寄りたいから」

朝陽はそう言うと教室を出て行った。


え、一緒に帰ろうと思ってたのに…残念。

そう思いながらリュックに荷物を詰めていると、隣の水樹くんが立ち上がった。


「紗良ちゃん、送るから帰ろ?」

「え……あ、うん」

思いがけない水樹くんの言葉に驚いたけど、内心はドキドキと嬉しい。


「じゃ、先に帰るね。また明日ね!紗良」

和子はそう言うと平野くんと教室を出て行った。