「それより逞は今日もやる気がなさそうだね」

と朝陽の視線が平野くんに向く。


うん、ほんとにその通り。

さっきからスマホばっかり触って全然やる気が感じとれないよ、平野くん。

勉強会してる意味ないじゃん。


「問題の解き方調べてんの」

スマホを見たままそう答えた平野くん。

調べなくても朝陽に聞けばいいのに。


平野くんのことはもう放っておこう。

と教科書に視線を戻した時だった。


「へ〜ほんとに勉強会やってたんだ?」

思わずドキッとする。

見なくてもわかる…水樹くんだ。


「逞が妙なこと言ってると思ったけど、本当だったんだね」

水樹くんはそばまでくると、平野くんの肩に手を置いて笑う。