「でも俺の気持ちは変わらないから。紗良ちゃんとは友達になるつもりないよ」

「……」


もうわかってるよ。

わかってる…


だからそれ以上は言わないで。


「その格好、すごく似合ってる。可愛いよ」

そう言った水樹くんは笑っていた。

「そんなお世辞…いいよ」


今さらそんなこと言われても信じれない。

「お世辞じゃないんだけどね」

と苦笑いの表情を見せながら頭を掻く水樹くん。


「水樹くん、嘘つくようになったんだね」

「え？」

「さっき平野くんとの会話聞いてたから…。だから似合ってないって正直に言えばいいのに。着替えてほしいって言ってたもんね」


あー何か虚しくなってくる。


もう精神的にズタボロだ。

「それは勘違いだよ。逆で、似合いすぎてたから……俺の気持ちが落ち着いてなかっただけ」