ゆうちゃんの顔はニコニコして近いままだ。
誰とも共有した事のないくらい近い距離感。
はじめての距離感に戸惑いながらニコニコした表情でじっと見つめられる。知らない間にゆうちゃんの手はあたしの手を握っているみたいだった。色んな事をすっ飛ばしてゆうちゃんはいきなりここまで来てしまった。やっぱり慣れてる。この人は女の子にめちゃくちゃ慣れている。

失敗したな…と思ったのと、ゆうちゃんの唇が触れてきたのは全く同じタイミングだった。ゆらゆら揺れる意識の中で、ゆうちゃんの唇は何度もあたしに触れてきた。拒もうと思っても何も抵抗できない。ゆうちゃんは親指であたしの下唇をそっと引き下げて、開いた隙間から舌を入れてきた。それから本当に長い間、ゆうちゃんはキスを辞めなかった。